どうも!ブランドクリエイターの中江です。
今日は「【SUITSと渋沢栄一から学ぶ】道理に基づいた経営判断ができない企業はなぜ滅ぶのか?」というテーマでお話していきたいと思います。
今更「SUITS2の話かよ」と思われる方もいるかもしれないですが、気にしないでください。笑
僕は常に、流行から取り残されています。
まだ、鬼滅の刃も半沢直樹2も見ておらず、これから見ようかなと思ってるところです^^;
今日の記事はネタバレを含みますので、「SUITS2の内容は知りたくない!」という人は、見てからこの記事を読んでくださいね。
「SUITS」というドラマは、アメリカ・USAネットワークで2011年から2019年まで放送されていた人気シリーズで、それが2018年と2020年に日本でリメイクされたんですね。
舞台は「幸村・上杉法律事務所」で活躍する弁護士のお話です。
そこでは、様々な企業や個人からの訴訟案件の依頼が来ます。
最終回の訴訟は「フォルサム食品」という企業に勤める女性従業員からの依頼でした。
「フォルサム食品」は蓮見会長(伊藤史郎)が率いる食品メーカーの大企業です。
画像出典:https://www.fujitv-view.jp/
その女性従業員は「女性が昇進差別を受けている」と訴えを起こしていました。
最初は金にモノを言わせて、和解金1億円を支払って、解決を図ろうとしますが、対立する弁護士との因縁もあり、その女性従業員と全面対決することになります。
「女性の活躍」を謳う同社のイメージからすると、今回の訴訟が明らかになれば、とてもマイナスなイメージとなります。
蓮見会長とその弁護士は
女性の昇進差別に確固たる証拠などない
と主張しました。
ですが、実際に調べていくと、女性の昇進差別がありました。
従業員の人事評価採点シートを回収すると、女性だけなぜか、小数点単位の点数があります。
男性の点数には小数点はありません。
これは本来の点数に0.7をかけていたからです。
他の女性従業員も、昇進差別を受けていることは自覚していましたが、自分がそれを訴え出てしまったら、それこそ会社での将来に響くと声を上げ出せません。
全面対決が決まってからも、同社の女性従業員には、その訴えに参加しないように圧力がかかりました。
しかし、その後、女性の昇進差別をしていた決定的な証拠を掴まれます。
蓮見会長が全国の人事担当者宛に
育児が仕事の邪魔にならない女性だけを昇進させろ
というメールを送っていたのです。
これで負けは確定し、メディアにも悪事が暴かれて、終わりというストーリーです。
このSUITSというドラマに出くる企業って、倒産していく典型例みたいな企業がたくさん出てきます。
今回のフォルサム食品の場合
- 経営判断
- 時代認識
の2つを完全に読み間違えた事例です。
事業における経営判断はどうあるべきなのか?
日本資本主義の制度を整備して、日本初の株式会社を設立し、470社の企業の創設に関わった、渋沢栄一はこう語っています。
画像出典:http://yuairodorekishikan.com/
人間は万事万般の行いを道理に当てはめ、これに適応するか否かを判断し、決定することが最も緊要なことである
このことはInstagramでも解説しましたが、
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道理とは人として行うべき正しい道のことです。
道理に反してる行為とは、自分を利することだけを考えて、その行為が周りに与える影響を想定しないような行為です。
道理に反する行為ばかりやっていると、人の和を乱し、人は離れていきます。
だから、どれだけ立場があろうが、業績があろうが、実績があろうが、権力があろうが、権威があろうが、自分を利するような行いばかりやっていれば、物事は上手くいかなくなるのです。
今回は、人事評価でした。
人事評価は、当然ですが、社員の行為を公正・公平に行うことが、道理に適っている行為です。
ですが、蓮見会長は、そこに私的な偏見を入れて、点数を操作しました。
それが女性社員に与える影響のことなど、何も考えていないのです。
結果として、集団訴訟に入ります。
今回のようにどれだけ凄腕の弁護士を雇おうが、そこに道理はなく、不正の根拠は隠そうとしても、確固として存在しているので、いずれバレます。
圧力を加えて、証拠の隠蔽を図ろうとしましたが、結局、それも無駄骨に終わりました。
蓮見会長の経営判断を見ていると、組織論的にも旧時代的だなと思います。
このフォルサム食品は『ティール組織』でいうところの「順応型パラダイム」です。
この組織のパラダイムは、紀元前4000年のメソポタミアで生まれたモデルです。
人々は、因果関係という概念を理解し、時間を線形で捉えることができるようになり、将来の計画を立てれるようになりました。
組織も数百人から数千人規模を束ねられるようになります。
組織の運営体制としては
- トップ
- 部下
というピラミッド型構造(ハイアラキー)です。
計画が立てられるようになると、農業を発展させることが可能となります。
結果的に生産力が上がり、農業に従事しない
- 統治者階級
- 役人
- 僧侶
- 兵士
- 職人
という身分や役割ができ、国家と文明が生まれます。
個人がこの組織に属するためには、この組織の行動基準を自分の中に取り入れないといけません。
この世界では、トップが「何が正しいのか」を全て決めます。
それに当てはまる行為こそが、称賛されるべきで、そうではない行為は恥ずべき、罪深い行いになります。
トップは計画を立案し、部下はそれを実行するという風に役割は明確化します。
部下に求められるのは、革新的なアイディアではなく、言われたことを素直に実行することです。
その方が組織としての生産能力が上がるからです。
階層はできるだけ固定化させた方が、社会の変化が少ない時代には、効率的・生産的です。
だから、明確な社会階級を設け、厳格な男女差別などを昔の組織は行ってきました。
正式な役職、固定的な階層、組織図によって、権力は安定し、組織は安定しました。
ですが、このパラダイムの組織論はもう古いのです。
今が激動の時代であり、たとえ大企業であっても簡単に潰れてしまう時代だからです。
個人は自由と引き換えに、企業に生活と将来の保証を求めましたが、その約束は確実に果たされるとは限りません。
堅牢なピラミッド型構造を作り、トップが下した命令も幾度となく間違うようになります。
今はそういう不安定な時代です。
そして、インターネットが登場し、情報は一瞬で共有され、評価が行われてしまう時代です。
人からの評価というのが物凄く重要な指標となっています。
それはトップから部下に行うトップダウンの評価ではありません。
もはやそんな階層構造はなく、トップも部下に評価される時代です。
今回の訴訟はまさにそうです。
全ての人が一挙手一投足問われる時代になったのです。
だからこそ、渋沢栄一が説いた
人間は万事万般の行いを道理に当てはめ、これに適応するか否かを判断し、決定することが最も緊要なことである
という経営判断が重要なのです。
これは関わる人の幸せを願った経営判断であり、これを実行していけば、自然と評価が集まる企業になるからです。
では、今回は、以上になります!
お疲れ様でした!